ドイツ連邦教育研究省(BMBF)のアニャ・カルリチェク連邦教育研究相は1月31日、量子コンピューティングの分野に3億ユーロを追加投資すると発表した。これにより、技術開発に加え、起業を通した新しいノウハウの確保を後押しする。また、アプリケーションの準備や時期を得た(タイムリーな)市場投入を可能にするための将来のユーザーとの協力構築にも重点を置く。
カルリチェク連邦教育研究相は今回の発表に際し、「ドイツは、量子技術の分野では特に、量子センサーと量子通信において特に優れている。これらの分野は引き続き特に支援していく。量子コンピューティングの分野については支援を強化する方針であり、今後数年間で3億ユーロを追加投資する」と説明した。また、「ドイツはイノベーション立国であり、今後もそうでなければならない。このため我々は量子技術の分野に集中的に取り組む必要がある。したがって、フラウンホーファー研究機構や大学などの研究機関だけでなく、経済界もすでに、この将来分野に集中して取り組んでいることを嬉しく思っている」との見解を示している。
今回のカルリチェク連邦教育研究相の会見には、フラウンホーファー研究機構のライムント・ノイゲバウアー総裁と独工作機械大手トルンプのペーター・ライビンガー最高技術責任者(CTO)も同席した。独産業専門紙『VDIナッハリヒテン』によると、トルンプのライビンガーCTOはドイツ連邦教育研究省(BMBF)の量子システム・プログラム委員会のスポークスマンを務めている。