欧米自動車大手のフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は14日、セルビアのクラグイェバツ工場の生産ラインを差し当たり停止したと明らかにした。同工場ではフィアット「500L」を生産しているが、新型コロナウイルスの影響により、中国からのオーディオシステムの供給が滞っている。ロイター通信などが報じた。
新型コロナウイルスの影響により、欧州自動車メーカーが生産ラインを停止する初めての事例となる。メディア報道によると、FCAは2月後半に生産を再開する見通しで、2月の生産計画には大きな影響はないとの見解を示している。
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アウディとBMW、中国工場の生産再開
独業界紙『オートモービルボッヘ』によると、独自動車大手のアウディとBMWは17日から中国工場の生産を再開したもよう。BMWは瀋陽工場で春節(旧正月)の生産休止を延長していたが、17日から生産を再開した。アウディは販売業務も再開したが、大部分の顧客とはオンラインで連絡をとっている状況という。
一方、フォルクスワーゲン(VW)と中国の第一上海汽車(SAIC)との合弁会社は17日に予定していた生産再開を24日に延長した。サプライチェーンや物流に問題があるほか、従業員の出勤や出張が制限されているため。VWと第一汽車(FAW)の合弁会社では一部の工場が生産を再開しているほか、近日中に再開する工場もあるという。