独自動車部品大手のボッシュは2月19日、同社の人工知能(AI)製品の開発における倫理的なガイドライン(レッドライン)を発表した。AIのあらゆる決定において人間が管理者でなければならない、などと定めている。ボッシュのフォルクマー・デナー社長は、ベルリンにおけるモノのインターネット(IoT)の業界イベント「ボッシュ・コネクテッドワールド(BCW)」(2月19~20日)の開幕に際し、「AIガイドラインは、従業員にインテリジェントな製品の開発における明確な指針となる。我々の目標は、人々に当社のAI製品を信頼してもらうことだ」とコメントした。
ボッシュは2025年から全てのボッシュ製品にAI技術を導入またはAIを活用して開発・生産する方針。また、同社は今後2年間で、従業員2万人にAIの使用に関する研修を実施する計画。
ボッシュのミヒャエル・ボレCDO(チーフデジタルオフィサー)兼CTO(チーフテクノロジーオフィサー)は、「AIが人々にとってブラックボックスでなければ、信頼が生まれる。信頼はネットワーク化した世界において本質的な品質の特徴となる」との見解を示す。
ボッシュのAI製品の開発ガイドラインは、革新への探求と社会的責任感を組み合わせたボッシュの理念「生活のための技術」を基盤としている。
具体的には、◇ボッシュのすべてのAI製品は、革新への探求と社会的責任感を組み合わせたボッシュの理念「生活のための技術」の精神を反映している◇人に影響を与えるAIの決定は、人間の監督下でのみ作動する。AIは人々のためのツールでなければならない◇安全で堅牢で理解可能なAI製品の開発を目指す◇信頼は当社の基本的価値の1つであり、信頼できるAI製品の開発に取り組む。◇AI製品を開発する際には、法的規定を順守し、倫理原則を順守する――を定めている。