フィンランドのタイヤ大手ノキアンタイヤズは2月27日、製紙大手ストラ・エンソが実施している自動運転トラックの実証試験にタイヤを供給していると発表した。同試験は同国東部ウイマハージュにあるストラ・エンソのパルプ工場の敷地内の全長1.4キロメートルの木材チップ運搬ルートで行われている。試験車両は時速20キロで自律走行する。
ノキアンタイヤズが供給しているのは冬用タイヤ「ノキアン・ハッカペリッタ」の大型トラック向け製品。当該製品はスマートセンシング技術を使ったタイヤ管理システム「Nokian
Tyres
Intuitu」に対応しており、タイヤの温度、空気圧などを常時監視することでトラブルを未然に防ぐことができる。
今回のパルプ工場のように外部と遮断されて安全管理がしやすい閉鎖地区における運搬作業は、自動運転車両の投入が有望視されている。ストラ・エンソの木材伐採部門責任者のアンティ・スビネン氏は「木材運搬トラックのドライバーは将来的に、遠隔操作室から車両を操縦するようになるかもしれない」と述べた。
今回の実証試験にはフィンランドの重機・物流大手マンチネン(Mantsinen)や搬送機器大手のヒアブ(Hiab)、フィンランド国立技術研究センター(VTT)が参加している。