欧州の自動車大手が相次いで生産休止を発表している。新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための措置。政府による外出制限の勧告を受けて、自動車販売が急減していることも背景にある。(10~11頁に関連記事)
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FCAとPSA、3月27日まで欧州工場の生産休止
欧米自動車大手のフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は16日、子会社FCAイタリアとマセラティが欧州工場の大部分の生産を3月27日まで一時的に休止すると発表した。イタリアの6工場とセルビアおよびポーランドの各1工場が対象となる。
仏PSAも同日、一部工場の近くにおける新型コロナウイルスの感染者増加や、主要サプライヤーの部品供給の混乱、自動車販売市場の需要急減などの状況を踏まえ、欧州工場の生産を3月27日まで停止すると発表した。3月16日~3月19日にかけて、フランス、スペイン、ドイツ、英国、ポーランド、ポルトガル、スロバキアにある工場を閉鎖する。
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仏ルノーも欧州工場の生産休止
仏ルノーも欧州全域の工場の生産を休止する。18日付の独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、ルノーは16日にフランス国内の工場の生産を停止していたが、他の欧州工場についても一時閉鎖を決定した。
スロヴェニア工場は17日、ポルトガル工場は18日に閉鎖した。モロッコにある2工場も19日に、傘下の低価格車ブランド「ダチア」のモデルを生産するルーマニアの工場も19日に生産を停止した。ルノーの広報担当者が『オートモビルボッヘ』紙に明らかにしたところによると、ルーマニア工場は4月5日まで閉鎖する予定。他の工場については「当面の間」と回答するにとどめている。
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ブレンボ、伊北部の4工場で生産休止
部品メーカーでは、伊ブレーキシステム大手のブレンボが13日、同国北部のベルガモ県とブレシア県で新型肺炎の感染拡大が深刻化している事態を受け、両県にある計4工場の生産を3月16~22日まで一時停止すると発表した。
今後、最大限の注意を払って状況の変化を観察し、状況を見極めたうえで生産を再開する意向を示している。