スウェーデン乗用車大手のボルボ・カーズは16日、CO2削減のため、工場から出荷する完成車の輸送をトラックから鉄道に切り替えていくと発表した。2040年までに全社的なカーボンニュートラルを達成する方針の一環として取り組む。
欧州ではディーラーへの新車搬送でトラック利用の割合が高く、同社は鉄道輸送に切り替えることでCO2排出削減を目指す。例として、ベルギーのヘント工場とイタリア北部にある車両保管ヤードの間を鉄道輸送にしたところ、CO2排出量が75%削減された。同様にオーストリアのヤードとの間では半減できたという。
同社は中国と米国でも鉄道輸送の活用拡大を検討している。現在、中国では国内工場からベルギーのヘント港向けに鉄道輸送を週2便活用している。米国ではサウスカロライナ州のチャールストン工場から国内の各保管ヤードへの輸送を鉄道に切り替えている。
同社は2040年の排出量ゼロ達成に向けて、車両1台当たりのCO2排出量を25年までに18年比で40%削減する目標を定めており、そのためには物流業務における排出量を25%削減する必要がある。