英自動車工業会(SMMT)は3月27日、2020年2月の同国の乗用車生産が12万2,171台となり、前年同月に比べ0.8%減少したと発表した。1~2月の累計は前年同期比1.5%減の24万485台だった。
2月は英国で新型コロナウイルスの感染拡大がまだ始まっておらず、国内向けの生産は前年同月比7.8%増の2万7,172台に拡大した。輸出は、3.1%減の9万4,999台と低迷した。欧州連合(EU)向けは3.6%増と伸びたものの、米国やアジア向けの輸出が大きく後退した。
英国では現在、すべての乗用車工場が生産を休止している。SMMTの委託により実施した生産休止の影響に関する調査によると、同国の乗用車生産は2020年末までに約20万台減少する見通し。これにより、2020年通期の乗用車生産は前年比18%減の110万台弱になると予想している。ただ、生産休止が数週間にとどまらず何カ月にも及んだ場合、影響はさらに深刻化すると指摘している。同予想は、3月16日時点の状況に基づいたもので、英国と欧州連合(EU)が貿易協定を締結し、2021年1月1日に発効する自動車業界向けの関税や貿易割当量がゼロになることを前提としている。SMMTによると、2020年1月時点の自動車分野のアナリストの予想では、2020年通期の生産は127万台となる見通しだった。
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商用車生産、2月は13.6%減少
SMMTによると、英国の2月の商用車生産は、前年同月比13.6%減の7,980台に減少した。輸出は、欧州の主要市場で需要が後退し、26.2%減と大幅に落ち込んだ。国内向けは5
カ月連続で減少していたが、2月は14.6%増と好転した。1~2月の累計は、前年同期比12.1%減の1万6,182台だった。
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エンジン生産、2月は9.3%減少
2月のエンジン生産は、前年同月比9.3%減の21万4,155基にとどまった。国内向けが14.0%増えたのに対し、輸出は21.0%減と低迷した。1~2月の累計は、前年同期比5.4%減の45万2,348基だった。