独自動車大手のダイムラーとスウェーデンの商用車大手ボルボ・グループは21日、大型商用車および他の用途向けの燃料電池システムの開発・生産・販売を事業とする合弁会社の設立について基本合意したと発表した。今回の合意は拘束力を持たず、第3四半期までに最終合意し、年内に正式に契約する見通し。また、合弁設立には、競争当局の認可が必要になる。
両社は、合弁設立により、開発コストの負担軽減や、販路拡大などの相乗効果を見込んでいる。2020年代後半の大型燃料電池トラックの量産化を目指す。また、他の用途へも製品を供給する計画。
背景には、欧州連合(EU)の排ガス規制の厳格化がある。EUは、大型商用車(トラック、バス)の二酸化炭素(CO2)排出量の削減目標として、2025年までに2019/20年比で15%の削減、2030年までに30%の削減を設定している。
合弁会社の出資比率はそれぞれ50%。ダイムラーは同社の燃料電池事業をすべて合弁会社に移管する。ボルボ・グループは約6億ユーロを投資し、合弁会社の資本の50%を取得する。
新合弁会社は、ダイムラーの燃料電池開発子会社メルセデスベンツ・フューエルセルの本社があるナーベルン(シュツットガルト近郊)のほか、ドイツとカナダに生産拠点を持つ。