独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は16日、VWグループの2020年第1四半期決算(暫定値)が大幅な減収減益となったと発表した。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響により、第1四半期の出荷台数は前年同期比23.0%減と大幅に落ち込んでいる。同社は、今後の先行きが不透明な状況の中、通期の業績予想は困難であるとして、年初の通期予想を撤回した。
VWグループの第1四半期の売上高は、約550億ユーロとなり、前年同期(約600億ユーロ)を下回った。営業利益は9億ユーロ(前年同期:約39億ユーロ)と、大幅な減益となった。原材料市場や金融市場の混乱、為替相場のマイナスの影響などにより、第1四半期は約13億ユーロの負担が発生した。営業利益率は1.6%(前年同期:6.4%)に落ち込んでいる。
VWグループはこれまで、通期の売上高で前年比4%増、乗用車分野は前年をやや上回ると予想していた。売上高利益率は、VWグループおよび乗用車分野のいずれも6.5~7.5%を確保できると見込んでいた。
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出荷台数は23.0%減少
VWグループの第1四半期の出荷台数は、前年同期比23.0%減の200万6,000台に落ち込んだ。地域別では、中国(香港を含む)が35.1%減の61万3,900台。西欧は20.2%減の77万300台、北米は12.9%減の18万8,600万台だった。
ブランド別では、VW(乗用車)ブランドが25.1%減の109万1,500台、アウディが21.1%減の35万3,000台、シュコダも24.3%減の23万2,900台となるなど、大幅に落ち込んでいる。