独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は8日、ドイツのザルツギッターに建設するバッテリーセルの合弁工場の建物とインフラ整備に約4億5,000万ユーロを投資すると発表した。工場施設は完成後、合弁会社が賃借する。
VWはこれまで、バッテリーセル事業に10億ユーロ以上を投資する計画を発表していた。内訳は、バッテリーセルの開発・試験・試験生産に1億ユーロ超、スウェーデンの新興企業ノースボルトとのリチウムイオン電池の合弁生産事業に約9億ユーロとなっていた。VWとノースボルトは2019年9月に合弁会社を設立している。今回のプロジェクトでは、VWが約4億5,000万ユーロを追加投資して独自に工場とインフラを整備し、合弁会社に賃貸する。
電池セル工場は、年内に着工し、2024年初めに操業を開始する見通し。生産能力は当初、16ギガワット時(GWh)となる予定。VWグループが進めるラインアップの電動化戦略では、2025年から欧州だけで年150
GWhを超える容量のバッテリー需要が見込まれている。
VWは複数のサプライヤーから電池セルを調達しているが、将来のさらなる需要拡大に備えて、欧州で独自にセル生産に参入する。
VWグループの電池セルは現在、韓国のLG化学、サムスン、SKIの3社が欧州向けを、中国CATLが中国と欧州向けを供給しており、SKIはさらに、米国市場向けも供給している。