自動車の定額料金サービス、利用が大幅増加の可能性=独調査

動画や音楽などで定額料金サービスの利用が増えている中、自動車でも1カ月あたりの料金に保守サービスや保険など燃料費以外のすべてのコストが含まれている定額制サービスの利用者が今後大幅に増える可能性がある。

ドイツの自動車専門家フェルディナント・ドゥーデンフェファー教授はこのほど、IBM、フリートプール・グループと共同で、「自動車定額料金サービスの市場潜在性」をテーマにした2つの調査を実施した。これらの調査結果から、ドイツの2030年の乗用車新車市場では、個人顧客における定額制サービスの利用が最大で年100万台に拡大し、市場シェアは最大40%を占める可能性があると予測している。

ドイツの乗用車市場では現在、個人顧客の新車購入のうち、現金購入が約30%、融資が約30%、リースおよびバルーン返済が約40%を占めている。今回の調査では、自家用車の保有者は、修理費などの「想定外の費用」や「残存価値の低下」などのリスクを理由に、将来は少なくなると分析しており、現金購入や融資の割合が減る一方、リースは引き続き需要があり、定額サービスは大きく伸びると予想している。

■ 自家用車は「想定外の費用」などがリスク

今回、IBMと共同で実施したアンケート調査では、参加者1,163人うち自家用車の難点として、「想定外の費用」を挙げた人が48%を占めた。また、次の自動車は定額サービスに切り替える可能性があると回答した人は53%と、過半数を超えた。

また、自動車の定額サービスを提供するフリートプールのブランドlike2driveの顧客726人にアンケート調査を実施したところ、現行の契約期間の終了後も定額料金サービスを利用したいと回答した人は全体の89%を占めた。また、「満足」または「とても満足している」と回答した人は全体の93%にのぼった。フリートプールによると、定額サービスの利用者で、例えば、走行距離の超過や車両の破損などを理由に、追加料金が発生する割合は全体の12%にとどまっている。

フリートプール・グループは2008年の設立でドイツのケルンに本社を置く。like2driveなど、傘下に7つの自社ブランドを持つ。従業員数は現在140人。

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