ドイツ連邦陸運局(KBA)は3日、同国の2021年2月の乗用車新車登録が19万4,349台にとどまり、前年同月に比べ19.0%減少したと発表した。大幅な落ち込みは、12月半ばから続いているシャットダウン(店舗閉鎖)によりディーラーが店舗営業を休止している影響が大きい。これに加え、政府が昨年12月末までの時限措置として付加価値税を引き下げていたため、12月に駆け込み需要があった反動もある。
2月の新車登録の顧客別内訳は、法人が全体の70.0%(前年同月比15.2%減)、個人は全体の30.0%(同26.8%減)だった。
ブランド別では、ドイツ勢は、スマート(123.0%増)、MINI(18.6%増)、ポルシェ(3.6%増)が前年同月を上回った。ドイツフォード(40.1%減)、メルセデスベンツ(28.3%減)、オペル(11.3%減)、アウディ(11.0%減)は2ケタの減少だった。
輸入ブランドでは、テスラ(180.0%増)、ランドローバー(23.4%増)、サンヨン(8.4%増)が前年同月を上回った。これに対し、ダチア(51.3%減)は50%上回る落込みとなった。
日本勢も、ホンダ(62.8%減)、マツダ(59.6%減)、三菱自(55.9%減)、スズキ(52.3%減)で減少幅が50%を超えた。レクサス(37.8%減)、日産(29.2%減)、スバル(31.8%減)、トヨタ(23.5%減)も大幅な2ケタの減少となっている。
■ 電気自動車(BEV)は124.2%増加
燃料別では、ガソリン車が前年同月に比べ41.4%減少し、市場シェアを37.7%に落とした。ディーゼル車も前年同月比で35.0%減少し、市場シェアは25.4%に縮小した。
これに対し、純粋な電気自動車(BEV)は前年同月比124.2%増の1万8,278台となり、市場シェアは9.4%に拡大した。ハイブリッド車は5万2,704台で、市場シェアは27.1%となった。うち、プラグインハイブリッド車は2万1,879台で、市場シェアで11.3%を占めた。
■ 国内生産・輸出も減少
独自動車工業会(VDA)によると、2月の国内生産は、前年同月比17%減の32万3,600台にとどまった。半導体の供給不足が生産減少の一因。輸出も前年同月比19%減の23万2,900台と大きく低迷した。
VDAによると、2月の国内受注は、前年同月に比べ12%減少した。これに対し、国外受注は13%増加した。なお、増加の背景には、2020年2月に新型コロナウイルスの影響が出始めていたことがある。国内・国外を合わせた2月の受注は前年同月比で8%減少だった。