欧州連合(EU)加盟国と欧州議会は17日、域外の高い技能を持つ労働者にEU共通の居住・労働許可証「ブルーカード」を発行する制度の改正案で合意した。より多くの高技能労働者を取り込むため、一定以上の年収があることなどを求める受け入れ要件を緩和する。
ブルーカードは域内で不足している技術者など高技能労働者の移住を促進するため、2009年にEU指令として導入された制度。16年から受け入れ要件の緩和を検討していたが、調整が難航していた。
今回の合意によって年収基準が緩和され、最低年収が域内平均年収の1~1.6倍に相当する水準であればブルーカードを発行する。就労先と結ぶ雇用契約の最低期間は6カ月に短縮される。このほか、情報通信技術(ICT)分野の技能認証に関する要件の緩和、これまでより短期間で他の加盟国に移住できるようにすることなどでも合意した。
改正案は加盟国、欧州議会の最終承認が必要。各国は承認から2年以内に国内法を整備し、新ルールを施行することが求められる。