英自動車工業会(SMMT)は6月25日、同国の2021年5月の乗用車生産が5万4,962台となり、前年同月に比べ934.3%増加したと発表した。前年同月は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な感染拡大)の影響による生産の休止・縮小により、生産台数が5,314台と大きく落ち込んでいた。パンデミック前の2019年5 月(11万6,035)と比較すると52.6%の減少となる。2015~2019年の5年間の平均(13万838台)との比較では、22.9%を下回る水準となる。
1~5月の累計は前年同期比32.4%増の42万9,826台だった。2019年同期(67万4,726台)との比較では36.3%の減少となる。
1~5月の乗用車生産のうち、輸出向けは全体の83.6%を占めている。輸出先は、欧州連合(EU)が全体の56.0%で最も多く、米国(18.3%)、中国(7.3%)が続いている。
■ 商用車生産も急増
SMMTによると、同国の2021年5月の商用車生産は6,243台となり、新型コロナウイルスの感染拡大により生産が急減していた前年同月(820台)から急回復した。2015~2019年の5年間の平均(6,110台)と比べても2.2%の増加となる。ただ、SMMTによると2019年は主要モデルのモデルチェンジの影響があったことを考慮する必要があるという。
1~5月の累計は、前年同期比28.5%増の2万8,510台。国内向けが48.4%増と大幅に伸びており、全体に占める割合も、50.5%(前年同期:43.7%)に拡大した。1~5月の累計を2015~2019年の5年間の平均(3万6,193台)と比べると21.2%の減少になる。
■ エンジン生産、108.9%増加
SMMTによると、同国の2021年5月のエンジン生産は、前年同月比108.9%増の11万6,639基だった。2015~2019年の5年間の月の平均(22万2,439基)と比べると47.6%の減少となる。1~4月の累計は、前年同期比18.8%増の78万1,834基だった。