スウェーデン乗用車大手のボルボ・カーズは21日、親会社である中国の浙江吉利控股集団(Geely Holding)と中国に設立した合弁会社2社(中国の乗用車工場および販売事業)の持ち分をボルボ・カーズが取得し、完全子会社とすることで合意したと発表した。これにより、成長市場の中国における事業基盤をさらに強化する。
具体的には、Daqing Volvo Car Manufacturing Co., LtdとShanghai Volvo Car Research and Development Co., Ltdの資本の50%を追加取得する。これにより、成都と大慶の工場、および、中国国内販売会社、上海の研究開発拠点の完全な所有権を得る。
手続きは2段階で進められる見通しで、中国の自動車産業における外資の出資規制が撤廃される2022年に手続きを開始し、正式な手続き完了は2023年になると見込んでいる。
ボルボ・カーズの中国事業は好調で、近年は中国の平均的な市場成長を上回る速度で販売台数が伸びている。2020年の中国販売は前年比7.5%の16万6,617台となり、8年連続で過去最高を更新した。2021年上半期(1~6月)の販売は、前年同期比で44.9%増、2019年同期と比べても40.1%の増加だった。
浙江吉利控股集団のダニエル・ドンホイ・リー最高経営責任者(CEO)は今回の発表に際し、「浙江吉利控股集団とボルボ・カーズは、より広いグループ内で協力関係や事業構築における最良の方法を継続的に見直している。今回の2つの取引によりボルボ・カーズと浙江吉利控股集団の双方における所有構造がより明確になった」とコメントした。