伊ブレーキシステム大手のブレンボが7月29日発表した2021年上半期決算は、売上高が前年同期比43.1%増の13億6,080万ユーロ、営業利益(EBITDA)は88.6%増の2億7,020万ユーロにそれぞれ大幅に拡大した。新型コロナ流行に伴う需要の減退が大きく響いた前年同期からの反動が出た格好。全ての事業部門と国・地域で二桁増を達成し、2019年の同期実績をも上回った。EBITDAベースの売上高利益率は19.9%と、前年同期(15.1%)から4.8ポイント改善した。 売上高を部門別にみると、主力の乗用車部門が38.2%増の9億8,060万ユーロに伸びたほか、自動二輪車部門は82.9%増の1億6,520万ユーロへと大きく伸びた。商用車部門(45.2%増の1億4,840万ユーロ)とレーシング部門(35.8%増の6,640万ユーロ)も好調だった。
国・地域別では、欧州では主力のドイツが40.7%増(2億5,630万ユーロ)、イタリアは51.6%増(1億6,350万ユーロ)となり全体を押し上げた。前年同期に最も落込み幅が大きかった英国は51.1%増(9,580万ユーロ)となり、大きく回復した。フランス(17.1%増の4,730万ユーロ)も堅調だった。その他の欧州も35.8%増の1億6,720万ユーロに回復している。
アジアでは、インド(4,660万ユーロ)が全ての国・地域の中で最も大きい成長(74.4%)を示したほか、中国(44.6%増、2億340万ユーロ)と日本(29.9%増、1,570万ユーロ)も好調だった。その他のアジア諸国も(61.2%増、2,220万ユーロ)も大きく回復した。
最大市場の北米(米国・カナダ・メキシコ)は43%増の3億1,500万ユーロ、南米(ブラジル、アルゼンチン)も49.1%増の1,900万ユーロと大きく回復した。
同社は2021年通期の見通しについて、世界的な半導体部品の供給不足の影響を考慮し、売上高で20~25%の増加、売上高利益率で19.5%を見込んでいる。