蘭デジタル地図大手のヒア・テクノロジーズは14日、独シーメンスのスマートモビリティ事業ユネックストラフィック(YunexTraffic)との提携拡大を発表した。英国での共同事業の成功を受けて、データ駆動型の交通管理ソリューションを自治体当局と公共交通機関向けに世界規模で展開していく。
従来の交通管理ではブルートゥースやWiFiセンサーを備えたナンバープレート自動認識カメラ(ANPR)などの路上設備(オンストリートハードウエア)が必要となるが、ヒアの技術では膨大なモビリティデータをもとに移動時間などを分析できるため、迅速なシステム導入とコスト削減が可能になる。ユネックストラフィックは自社のソリューションにヒアの技術を統合し、監視カメラなどのハードウエアに頼らないデータ駆動型のジャーニータイム・アズ・ア・サービス(JTaaS)ソリューションを提供している。
両社の提携ではこのほか、信号サイクルの最適化や公共交通および緊急車両の優先順位付けソリューションである「グリーンウェーブ」技術のオープンな開発に、ヒアの位置情報共有ハブ「ヒア・マーケットプレイス」でユネックストラフィックの関連データを取得できるようにする。また◇車車間・路車間通信(V2X)技術に基づく衝突回避システムの運用に向けた「デジタルツイン」ツールの開発◇ユネックストラフィックの交通管理プラットフォーム「サイトラフィック・シンフォニー(Sitraffic Symphony)」の機能強化――などで協力する。
ユネックストラフィックはシーメンスの鉄道事業子会社シーメンス・モビリティの道路交通ソリューション部門が手掛けている。