スペイン自動車部品大手のゲスタンプは10月20日、全社的な脱炭素化に向けた取り組みの一環として欧州鉄鋼大手アルセロール・ミタルの「グリーンスチール証明」を使用することで合意したと発表した。同社製の鉄鋼材を用いた製品に同証明を添付することにより、顧客の二酸化炭素(CO2)排出量削減を間接的に支援するとともに、サプライチェーンのカーボンニュートラル(炭素中立)を実現する。アルセロール・ミタルの同証明書を使用するティア1サプライヤーはゲスタンプが初めてという。
「グリーンスチール証明」はアルセロール・ミタルが鉄鋼製品のカーボンニュートラル達成を目指すイニシアチブ「Xカーブ」の一環として発行される。製鋼工程から回収した水素リッチガスを高炉に注入する技術の活用など脱炭素化につながる取り組みを証明する。同証明書が添付された製品を購入した顧客は、温室効果ガス(GHG)排出量を算定するための国際基準「GHGプロトコル」に準拠し、温室効果ガス排出削減に向けた国際共同イニシアチブ「サイエンス・ベースド・ターゲット・イニシアチブ(SBTi)」のスコープ3(サプライチェーンからの間接排出)におけるCO2排出削減量を報告できる。
ゲスタンプはSBTiに基づき、2030年までに全事業及びサプライチェーンにおけるCO2排出量を削減する目標を掲げる。