世界有数の年金基金であるオランダのABPは10月26日、化石燃料を扱う企業への投資を打ち切ると発表した。2023年1~3月期までに関連資産の大半を売却する。対象資産は150億ユーロを超える見通しだ。
売却対象となるのは石油、ガス、石炭を生産する企業の株式など。約80社に上る。ABPの運用資産残高(5,280億ユーロ)の約3%を売却する形となる。
世界の機関投資家は脱炭素化への取り組み強化を迫られており、カナダ2位の年金基金のケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)は9月、22年末までに化石燃料関連資産を売却すると発表していた。
公務員年金基金のABPは6月の時点で、長期的な収益に悪影響を及ぼすとして化石燃料資産の売却を否定していた。しかし、地球温暖化への危機感、脱炭素化に関する有力投資家としとして責任から、方針転換したと説明している。今後は電力、自動車、航空会社など化石燃料を大量消費する企業に対して、株主としての影響力を行使し、グリーンエネルギーへの切り替えを求めていく方針という。