米フォード、ロンドン港と協力し自動運転配達を試験

米自動車大手のフォードは2日、英ロンドン港の物流ハブ「DPワールド・ロンドンゲートウェイ」と協力し、自動運転配達車両による港湾のオフィス業務の実証試験を実施したと発表した。自動運転車が企業の業務用途にどのように役立つかをみるための研究プログラムの一環。ロンドン港のような大規模な港湾施設における自動運転車の有用性や、働き手にとっての利便性を評価した。

試験は今年6月、特別仕様の商用バン「トランジット」を用意し、想定される自動運転の配達シナリオを事前にシミュレートして行った。試験の内容は、荷物の積み込み場所から3.5キロメートル離れた目的地まで決められた時間通りに走行し、配達を完了させるというもの。緊急要員としてのドライバーをヒューマン・カーシートに隠して乗せることで無人運転車としての外観を取り、それに対する周囲の人々の反応も調べた。フォードによると、DPワールドの従業員は自動運転の配達車両の扱いに短時間で習熟し、意図的に仕組まれた間違いにも柔軟に対応した。

フォードは傘下の自動運転技術開発会社アルゴAIと協力し、全米の主要都市で自動運転車の試験を実施している。2015年から2025年までの10年間で総額70億ドルを同技術開発に投資するとしていた。50億ドルは今年以降に投入される計画となっている。

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