スイスの電池メーカー、ルクランシェは8日、同社のバッテリーシステムを搭載した世界初の完全電動・自動コンテナ船「ヤラ・ビルケランド」が商業運行を開始すると発表した。同船はノルウェーの肥料大手ヤラにより開発されもので、同国南部のヘロヤにある工場から近在のブレヴィク港まで製品を輸送する。年間でトラック4万台分に相当する二酸化炭素(CO2)と窒素酸化物(NOx)の排出量を削減できると期待されている。
「ヤラ・ビルケランド」が搭載するバッテリーシステムは容量が6.7メガワット時(MWh)。1個のモジュールは32枚のリチウムイオン電池セルで構成される。バッテリーシステムは51個のモジュールをストリング20基で連結しており、セルの数は3万2,640枚に上る。動作温度範囲はマイナス20度~プラス55度。システムには冗長性システムが組み込まれており、複数のストリングが停止した場合でも航行を続けられる。セルは独ヴィルシュテットの工場、モジュールはスイスの工場で生産された。
ルクランシェによると、バッテリーシステムの寿命は10年以上。競合に比べエネルギー密度が30%高く、製品寿命は最大で230%長いという。