BAIC、19年からダイムラーの議決権を約10%保有

独自動車大手のダイムラーは12月13日、中国の北京汽車集団(BAICグループ)が2019年からダイムラーの議決権の9.98%を保有していると明らかにした。ダイムラーには中国の自動車メーカー、浙江吉利控股集団(Geely)の李書福董事長も9.69%を出資しており、BAICグループと合わせると中国勢がダイムラーの資本の約20%を保有していることになる。なお、ダイムラーは、BAICグループが今後さらにダイムラーの保有率を引き上げる計画はないと説明している。

BAICグループの保有率はこれまでは5%と見られていた。ダイムラーは、メルセデスベンツとトラック部門のダイムラー・トラックを分離する組織再編を機に、透明性を確保しようとしたと見られている。

ダイムラーとBAICグループは相互出資しており、ダイムラーはBAICグループの子会社で香港の取引市場で株式公開しているBAIC Motorに9.55%を出資するほか、上海の取引市場で株式公開しているBAIC BlueParkにも2.46%を出資している。

ダイムラーのオラ・ケレニウス社長は今回の発表に際し、「我々は長期的な視野を持ち、当社の戦略を支持するすべての株主を歓迎する。BAICと提携している間に、中国はメルセデスベンツにとって世界で最大の市場となり、エレクトロモビリティとデジタル化への転換を推進する重要な市場となった」と述べ、BAICとの提携が世界最大の乗用車市場である中国での事業発展に大きく寄与していることを強調した。

ダイムラーは現在、中国市場で電気自動車4モデル(「EQA」、「EQB」、「EQC」、「EQS」)を販売しており、うち「EQA」、「EQB」、「EQC」の3モデルを現地生産している。2022年には4番目となる「EQE」の現地生産も計画している。