スイスの電池メーカー、ルクランシェは19日、同国の鉄道事業者BLSがブリエンツ湖で運行する観光船「MSユングフラウ号」にバッテリーシステムを供給したことを明らかにした。これにより、1954年に建造された同船はディーゼルエンジンと電気モーターで駆動するハイブリッド船に近代化された。航行時間は電気駆動のみで30分、ハイブリッド駆動で最大10時間半となる。ルクランシェはすでに、レマン湖で運行している2隻のハイブリッド船にもバッテリーシステムを供給している。
ユングフラウ号が搭載するバッテリーシステムの容量は168キロワット時(kWh)。容量7kWh の電池モジュールを12個連結したシステムが2セットからなる。1個のモジュールは60Ah(アンペアアワー)のG/NMC (グラファイト負極/ニッケル・マンガン・コバルト正極)バッテリーセル32枚で構成される。専用ドックで90分未満でフル充電ができるほか、航行中の再充電もできる。
ユングフラウ号はブリエンツ湖のインターラーケン・イーストとブリエンツの間を運航している。同船の就航により、年1万2,000リットルのディーゼル燃料と、自動車15台分に相当する30トンの二酸化炭素(CO2)を削減できると期待されている。