蘭デジタル地図大手のヒア・テクノロジーズは1月25日、中国携帯電話大手の伝音科技(Transsion)と提携すると発表した。アジアやアフリカ地域の新興国におけるスマートフォンユーザーの位置決め精度を向上させるのが狙い。ヒアの位置情報技術を活用し、全地球測位システム(GPS)を利用できない環境でも端末の正確な位置を特定できるようにする。
ヒアによると、世界のモバイルインターネットの利用者は2025年までに世界人口の60%にあたる50億人に達すると予想されており、特にアジア太平洋、中東、北アフリカ、サブサハラ・アフリカ、中南米の地域での成長が著しい。これらの地域で展開する伝音科技の携帯端末にヒアのネットワーク・ポジショニング(位置決め)技術を導入することで、GPSの電波を受信できない屋内や地下、トンネル、森林などでも端末の正確な位置を特定できるようになる。
活用例の一つが自動車のライドヘイリングやライドシェアリングサービスで、より精度の高い推定到着時間(ETA)と乗降場所をユーザーに提示できるようになることから、伝音科技のユーザーの利便性と満足度を向上させることができる。アフリカではライドヘアリングの人気が年々高まっており、利用者数は2021年の5,030万人から、25年には16%増の5,840万人に拡大すると予想されている。