EUが第4弾のロシア制裁で合意、格付け禁止や最恵国待遇除外も

欧州連合(EU)加盟国は15日、ウクライナに軍事侵攻したロシアへの追加制裁で合意した。EUは米国などと連携し、これまでにロシアの7銀行を国際決済ネットワーク「国際銀行間通信協会(SWIFT)」から排除するなど、大規模な経済・金融制裁を実施しているが、ウクライナへの侵攻が続いているため、ロシアに対する締め付けを強化する。

第4弾となる制裁パッケージでは、ロシアからの鉄鋼製品の輸入を禁止する一方、高級車や宝飾品などぜいたく品のロシアへの輸出を禁止する。欧州委員会によると、鉄鋼製品の禁輸措置でロシアは約33億ユーロ(約4,300億円)の収入を失うとみられる。

また、ロシアのエネルギー分野に対する新規投資を原則として禁止する。ただし、天然ガスなどロシア産化石燃料の輸入は引き続き可能。このほか域内の格付け機関に対し、ロシアの国債や企業の格付けを禁止することも盛り込んだ。同措置により、ロシア政府や企業はEUの金融市場にアクセスすることがより一層困難になる。

さらに加盟国は同日、貿易上の優遇措置である「最恵国待遇(MFN)」からロシアを除外することで合意した。MFNは世界貿易機関(WTO)の基本原則の1つ。MFNが適用されなくなると、ロシア製品を輸入する域内の企業は高い関税を支払わなければならなくなる。今月11日に米欧日など主要7カ国(G7)が合意しており、EUも足並みを揃える。

このほかプーチン大統領とつながりの深いオリガルヒ(新興財閥)など、新たに15個人・9団体に制裁を科すことも決めた。対象にはサッカー英イングランド・プレミアリーグの強豪チェルシーのオーナー、ロマン・アブラモビッチ氏などが含まれている。同氏らはEU域内への渡航が禁止され、域内の資産を凍結される。

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