英自動車工業会(SMMT)は3月25日、同国の2022年2月の乗用車生産が6万1,657台となり、前年同月に比べ41.3%減少したと発表した。乗用車生産の減少は8カ月連続となる。半導体不足により一部の工場が生産を停止したほか、ホンダの英国工場が7月末で閉鎖したことが大幅な減少の背景にある。1~2月の累計は、前年同期比31.7%減の13万447台となっている。
2月の乗用車生産のうち、国内向け(38.5%減)、輸出向け(41.8%減)のいずれも大幅に減少した。輸出は2月の乗用車生産の80%以上を占めている。欧州連合(EU)向けが全体の62.4%、米国向けは11.0%、中国向けは8.7%を占めている。
また、2月の生産のうち、電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド車(HEV)の生産は全体の25.8%(1万5,905台)を占めた。
SMMTのマイク・ホーズ会長は、自動車業界は大きな転換期にある中で、部品の供給不足に加え、エネルギーコストの上昇など、2月末のロシアのウクライナ侵攻により、さらなる課題に直面していると言及した。2021年の輸出のうち、ロシア向けは全体の1.1%、ウクライナ向けは0.5%にとどまるが、バッテリーの原材料やワイヤーハーネスなど多くの重要な原材料、部品を同地域から調達していたと指摘。業界はロシアに対する制裁措置を支持しているものの、中長期的に追加的な課題に対処しなければならない、との見解を示している。
■ 商用車生産、2月は92.2%増加
SMMTによると、同国の2022年2月の商用車生産は、前年同月比92.2%増の8,278台に拡大した。背景には、前年2月の商用車生産が、部品の供給不足、新たな通関手続き、長期に渡るロックダウン措置により、記録的に急減していたことの反動がある。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大前の2019年2月と比べると10.3%の減少となる。
1~2月の累計は、前年同期比52.5%増の1万5,138台。2019年の同期に比べると17.8%の落ち込みとなっている。
■ エンジン生産、2月は30.9%減少
SMMTによると、同国の2022年2月のエンジン生産は、前年同月比30.9%減の11万7,551基だった。国内向け(38.5%減)、輸出向け(24.3%減)のいずれも大幅に減少している。1~2月の累計は、前年同期比23.5%減の25万9,023基だった。