プジョーが部品製造に3D印刷技術を活用。新型「308」の車内アクセサリーに採用

欧州自動車大手ステランティス傘下のプジョーは3月25日、車両の部品製造に3D印刷技術を活用する方針を明らかにした。新型「308」の車内アクセサリーへの採用を皮切りに、より技術的な部品製造にも導入していく意向だ。「308」のアクセサリー部品には、印刷技術として米ヒューレット・パッカード(HP)のマルチジェットフュージョン(MJF)造形技術が、原材料のポリマーにはHPと独BASFが共同開発した熱可塑性ポリウレタン(TPU)「ウルトラシント」が使われている。

MJFはポリマー粉末に熱を加えて融合させる技術で、粉末を焼結させる従来の方法と比べて生産効率が大幅に向上し、低コスト化を実現できる。また、TPU「ウルトラシント」は耐久性が高く柔軟な加工が可能で、特に高い弾性が求められる衝撃吸収部品や、メッシュ状の部品製造に適している。ポリマーの分子は大変細かいため、手触りや細部の質感に優れた製品を製造できる。ステランティスはアクセサリー部品へのTPU使用についての特許を取得している。

今回開発したアクセサリーには、ドリンクホルダーやサングラス、スマートフォン、カード類用のホルダーがある。プジョーによると、3D印刷技術がカーアクセサリーに使われたのは今回が初めて。製品はプジョーのオリジナル商品販売事業「ライフスタイル・ショップ」を通して購入できる。

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