フォード、緊急車両向けスマート信号システムを実証試験

米自動車大手フォードの欧州法人(独ケルン)は3月29日、コネクテッド機能を装備する緊急車両向けのスマート信号機システムの実証試験を成功裏に終えたことを明らかにした。自動車、通信インフラ、道路インフラ間の通信技術であるセルラーV2X(C-V2X)を活用し、交差点の信号機表示をタイミングよく切り替えることで、緊急車両の円滑な優先通行と、その他の車両の安全な走行を実現する。当該試験は、自律走行が可能なコネクテッドカーと、相互接続された道路インフラを統合する研究プロジェクトの一環として実施された。

試験は独アーヘン市にある8カ所の信号機が連動する直線道路と、市外の3カ所の信号機が連動する区間で、フォード「クーガ」のプラグインハイブリッド(PHV)モデルを緊急車両に見立てて実施された。

交差点の信号機は接近する試験車両からの信号を受信して表示を青に変え、交差する側の道路の信号を赤に変えると同時に、緊急車両および交差する側の車の双方に信号を出し、車両のアダプティブ・クルーズコントロール(ACC)システムを作動させて車を減速させる。これにより、緊急車両は前方の信号が緑に変わったタイミングで交差点に進入し、交差する側の通行車両は手前から減速することで急ブレーキを避けることができる。緊急車両の交差点通過後に信号機は通常のモードに戻る。

当該試験事業は独連邦交通・デジタルインフラ省の資金支援を受けて2020年1月から今年3月まで実施された。

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