独自動車部品大手のシェフラーは7日、フランスの自動車部品大手フォルシアとタイヤ大手ミシュランが設立した燃料電池事業の合弁会社シンビオと燃料電池の主要部品であるバイポーラプレート(BPP)を生産する合弁会社を設立すると発表した。出資比率はそれぞれ50%とする。新会社は年内に合弁設立の手続きを完了し、ブランド名「Innoplate」で事業を開始する予定。2024年初めにBPPの生産を開始する計画。
新合弁会社は、フランス北東部のアルザス地方にあるアグノーに本社と工場を置く。プロトン交換膜(PEM)燃料電池向けに次世代の金属製BPPを生産する計画で、生産開始は2024年初めを予定している。当初の生産規模は年400万枚とし、2030年までに年約5,000万枚に拡大する計画で、2030年までに従業員数は120人以上になる見通し。
新合弁会社の最初の顧客はフォルシアとミシュランの合弁会社シンビオとなる。シンビオはすでに、自動車大手から燃料電池システムの受注を獲得している。シンビオは供給先を明らかにしていないものの、メディア報道では、シンビオの顧客は欧州自動車大手のステランティスの可能性あるとの見方がある。
燃料電池は、水素と酸素を反応させて電気と水を発生させる仕組み。反応ガスの流路を持つバイポーラプレート(BPP)を2枚合わせて燃料電池セルをつくり、このセルを積層した構造体がスタックとなる。