スウェーデン乗用車大手のボルボ・カーズは1日、写実的なコンピューターグラフィック(CG)画像を生成するフォトリアリスティック・ビジュアライゼーション技術の導入で米ゲーム大手のエピック・ゲームズと提携すると発表した。エピック・ゲームズのゲームエンジン「Unreal Engine」をボルボ・カーズの次世代電気自動車(EV)モデルに搭載し、車載端末を通じて高品質なコンピューターグラフィック(CG)を表示する。没入感のある視覚情報を提供することでユーザー体験の質を高めるのが目的。
「Unreal Engine」は最先端の3D画像制作プラットフォームで、ゲームに限らず様々な業界で使用されている。ボルボ・カーズは欧州の自動車メーカーとして初めて、ヒューマンマシンインターフェイス(HMI)の開発に同エンジンを活用し、車載ディスプレイのドライバーインフォメーションモジュール(DIM)に実装する。これにより同社の次世代モデルはDIMを通じ、リアルな造形で色彩豊かな3D画像やアニメーションを表示できるようになる。
「Unreal Engine」はボルボ・カーズが今年後半に公開予定のEVのフラッグシップモデルに搭載される。同エンジンを米半導体大手クアルコムの統合型集積回路(SoC=システム・オン・チップ)「スナップドラゴン(Snapdragon)」と連携させることで、インフォテインメントシステムは従来比で2倍以上、CGの生成と処理は最大10倍高速化するという。ボルボ・カーズは将来的に「Unreal Engine」をボルボ車の他の技術分野の開発にも活用する考えだ。