仏自動車部品大手のヴァレオは14日、欧州自動車大手ステランティスのモデルが搭載するレベル3の自動運転システムに、同社の第3世代の遠距離ライダー(LiDAR)スキャナー「SCALA 3」が採用されたと発表した。ステランティスは2024年以降に発売する傘下ブランドの複数のモデルに同製品を搭載する。これによりドライバーは特定の条件下で安全に運転をシステムに任せることが可能になる。
「SCALA 3」は先代製品の50倍の解像度を持ち、肉眼やカメラ、レーダーでは認識できない150メートル先の物体をレーザーで検出する。車両の周囲情報を3次元の点群(ポイントクラウド)データとして生成し、対象物が動的か静的かの区別も含めて周囲環境を正確に把握できる。地図情報とのマッチングにより道路標識も検出する。
実装するソフトウエアは人工知能(AI)アルゴリズムにより、道路前方の障害物のない区間を予測して車の操舵を修正する。システムの動作環境は摂氏マイナス40度~プラス85度。国連・欧州経済委員会(ECE)の「高速道路等における運行時に車両を車線内に維持する機能を有する自動運行装置に関する基準(UN-R157)」を満たしている。
ヴァレオは世界で唯一、自動車用のライダースキャナーを量産している。これまでの生産は17万個を超える。