ユミコア、中国に燃料電池用触媒の大規模工場建設へ

ベルギーの非鉄金属大手ユミコアは7日、中国の江蘇省常熟市に燃料電池触媒の大規模工場を建設すると発表した。水素モビリティ市場の拡大を見越したグリーンフィールド投資で、同社が強みを持つプロトン交換膜燃料電池(PEMFC)用の触媒を生産する。2024年末に操業を開始し、需要の増大に応じて施設拡張も計画する。

常熟市の新工場はドイツと韓国にある生産および研究開発拠点を補完する役割を担う。燃料電池用触媒の市場規模は2030年にかけて12倍に拡大すると予想されており、ユミコアは中国の大規模工場の稼働を通して需要を取り込む考えだ。

ユミコアは新工場をカーボンニュートラル(炭素中立)設計とし、温室効果ガス排出削減に向けた国際共同イニシアチブ「サイエンス・ベースド・ターゲット・イニシアチブ(SBTi)」における製品顧客のスコープ3(サプライチェーンからの間接排出)の二酸化炭素(CO2)排出削減に貢献する。