タタ製鉄、蘭当局と持続可能性の原則表明に署名

インド鉄鋼大手のタタ製鉄は7月18日、オランダ西部の北ホラント州政府、同国のインフラ・水管理省並びに経済・気候政策省との間で、持続可能性の原則表明に署名したと発表した。二酸化炭素(CO2)排出量を2030年までに年間500万トン相当削減するとともに、カーボンニュートラル(炭素中立)の達成時期を45年に前倒しする。同原則は拘束力を持たないものの、同社と当局の合意の枠組みとして機能することになる。

タタは北ホラント州内でエイマイデン製鉄所を操業している。昨年9月には同製鉄所の脱炭素化に向け、CO2の回収と貯留のほか、コークスの代わりに水素や天然ガスを用いて鉄鉱石から酸素を取り除く直接還元鉄(DRI)方式の設備導入を決定した。これに先立ち同社は、◇同製鉄所の高炉2基から出るCO2を回収し、北海の枯渇ガス田に貯留する◇高炉から発生するガスを利用して年1万トンの水素を生成し、鉄鋼生産に活用するとともに、将来の水素ネットワークに供給する――といった計画を明らかにしていた。

今回の原則表明には、2030年より前の段階で、製鉄所周辺の環境・健康調査の実施や、現行のコークスおよびガスプラントなどの事業活動の早期停止の可能性を検討することなども盛り込まれた。