英自動車工業会(SMMT)は4日、同国の2022年7月の乗用車新車登録が11万2,162台となり、前年同月に比べ9.0%減少したと発表した。半導体不足や中国のロックダウン(都市封鎖)措置、ロシアのウクライナへの軍事侵攻などによる世界的なサプライチェーンの混乱が新車供給の停滞に影響している。ただ、減少幅は3~6月の2ケタに比べ、7月は1ケタと、これまでに比べ小幅だった。1~7月の累計は、前年同期比11.5%減の91万4,241台だった。
7月の顧客別の新車登録は、個人がほぼ横ばいだったのに対し、法人顧客が前年同月比18.2%減の5万14台と、大幅に落ち込んでいる。メーカーが個人顧客向けの供給を優先していることが背景にある。
燃料別では、電気自動車(BEV)が前年同月比9.9%増の1万2,243台となり、市場シェアを10.9%に拡大した。ハイブリッド車(6.7%減)とプラグインハイブリッド車(34.0%減)は、前年同月を下回っている。
■ 通期予想を下方修正
業界ではサプライチェーンの問題が下半期に改善するとの見方があるものの、SMMTは、これまでの落ち込みを回復できる可能性は低いとの考えから、登録台数の通期予想を160万台に下方修正した。これは2021年を2.8%下回る水準となる。SMMTは4月に下方修正をしたばかり。4月の時点では2022年通期で172万台を予想していた。一方、2023年通期は189万台に回復すると見込んでいる
なお、電気自動車を含むプラグイン車両(BEV、PHEV)の市場シェアは、2022年は22.6%、2023年は27.8%に拡大すると予想している。