中国のリチウムイオン電池メーカー、蜂巣能源科技(SVOLT)は9日、ドイツ東部のブランデンブルク州のラオホハンマーに工場を開設すると発表した。デンマークの風力発電設備大手ヴェスタスがローターブレードを生産していた工場を電池セル工場として活用する。SVOLTは現在、ドイツのザールラント州に2工場を建設する計画を進めている。ラオホハンマーにも工場を設置することにより、生産能力をさらに増強する。
SVOLTは8月末にヴェスタスの旧工場を建屋とインフラを含めて元所有者から購入していた。改築・拡張工事が必要となるものの、既存の建物の大部分を引き続き活用する方針を示している。現在、入居に向けて、改築・拡張工事の詳細も含めたマスタープランを策定している。
ザールラント州には、ユーバーヘルン近郊のリンスラーフェルトに電池セル工場を、セル工場から約30キロメートルの距離にあるホイスヴァイラーにモジュール・パック工場を建設する計画。
ブランデンブルク州のラオホハンマー工場で生産した電池セルは、ザールラント州のホイスヴァイラー工場に送り、さらに加工する。
■ ザールラント州の2工場、生産開始を先送り
なお、9日付の独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、SVOLTは9日、ザールラント州の2工場の生産開始を先送りすると明らかにした。ユーバーヘルン近郊の工場の生産開始は当初、2023年末を予定していたが、2027年以降となる見通し。防災、交通インフラ、騒音防止などの対策が理由という。
ホイスヴァイラー工場も、2020年11月に発表した計画では2022年半ばの操業開始を予定していたが、2024末/2025年初めとなる見通し。