非鉄金属大手ユミコア、北欧の国営電力2社とPPA

ベルギーの非鉄金属大手ユミコアは15日、ノルウェー国営電力スタットクラフト、およびフィンランドの同業ガスムと10年間の電力購入契約(PPA)を締結したと発表した。フィンランドのコッコラにあるユミコアの工場は、同国の陸上風力発電パークから再生可能電力の供給を受けるのが目的。ユミコアはコッコラの拠点で電気自動車(EV)用バッテリーの正極材(カソード)とその前駆体(PCAM)を生産するほか、欧州最大規模のコバルト精錬所を持っている。

PPAの開始時期はスタットクラフトが2024年から、ガスムは25年から。スタットクラフトは33年まで、フィンランド北部のヌオリワーラ風力発電パークから年間約60ギガワット時(GWh)の再エネを供給する。同発電パークは17基のタービンで構成され、総発電容量は96.9メガワット(MW)となる。

ガスムは2034年まで年約45GWhを供給する計画。

ユミコアは今回のPPAにより、温室効果ガス排出削減に向けた国際共同イニシアチブ「サイエンス・ベースド・ターゲット・イニシアチブ(SBTi)」におけるスコープ2(調達したエネルギーからの間接排出)の二酸化炭素(CO2)排出削減への寄与を期待する。同社は2035年までに、スコープ2とスコープ1(直接排出)における排出量の正味ゼロ達成を目指している。

上部へスクロール