独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は9月23日、VWのエネルギー子会社エリ(Elli)とベルギーの送電網事業者エリア・グループおよびエリア・グループが設立した新興企業re.altoが、電気自動車(EV)の電力網への統合の可能性を調査するため協力することで合意し、同日、ベルリンで趣意書に署名したと発表した。re.altoは2019年の設立で、デジタル市場やアプリベースのインターフェースを介したエネルギーデータとデジタル製品の接続に関するノウハウを持つ。
エリのエルケ・テメ最高経営責任者(CEO)は、EVを電力網への統合する利点として、◇気候保護:再生可能エネルギーをEVに貯蔵して有効活用することができる◇電力網:EVが電力網の安定に寄与する◇顧客:スマート充電や双方向充電により追加収入を得られる――の3つを挙げている。
3社は今後、EVの電力網への統合について、下記の4分野で協力することで合意した:
◇価格シグナル/インセンティブ: EVを分散型のエネルギー貯蔵設備として活用するため、料金体系やイ
ンセンティブにより、EVの所有者に協力を促すための動機付けの方法を調査する。
◇市場設計:EVユーザーが移動の目的地に関係なく、エネルギー会社を選択できる方法を調査する。
◇データの来歴/データの信頼性:EVデータの信頼性や安全性の高さを保証し、電力システムに活用で
きるようにする。
◇データセキュリティ/安全な接続:安全なデータ転送を可能にするメカニズムを研究する。