独高級乗用車大手のメルセデスベンツは10月26日、ロシアの販売子会社と工場を現地の販売会社アフトドーム(Avtodom)に売却する計画を明らかにした。メルセデスはロシアのウクライナ進攻直後に露事業を停止しているが、現地の資産については手元にとどめてきた。ハラルド・ヴィルヘルム取締役(財務担当)は、「冬眠状態」をいつまでも続けることはできないと指摘。戦争の長期化を受け売却先を数カ月前から模索してきたことを明らかにした。
アフトドームに現地販社とモスクワ近郊の組み立て工場を売却する。取引金額は非公開。ロシアへの制裁が解除された場合は買い戻しのオプション権を行使できる。取引の成立には当局の承認が必要。現地メディアによると、同工場では中国メーカーの自動車が生産される可能性もあるという。
メルセデスはロシアの商用車・戦車メーカー、カマズの株式15%を保有している。同株は本来、元子会社のダイムラー・トラックに移管される予定だったが、ロシアのウクライナ進攻を受けて凍結されている。