ベルギーの非鉄金属大手ユミコアは2日、フィンランドの電池用化学品大手テラファメと硫酸ニッケルの長期供給契約を締結したと発表した。欧州で持続可能な電池材料のバリューチェーンを構築する方針に沿ったもの。低炭素で透明性(トレーサビリティ)のあるテラファメの高品位の硫酸ニッケルを調達し、電池材料生産における温室効果ガスの削減に貢献する。すでに製品の流通を開始しており、調達量を年内に増やす予定だ。
高品質のニッケルは電動車(EV)用バッテリーのカソード材の製造に欠かせない。今回の契約によりユミコアは、ポーランドのニサに持つカソード材料工場のニッケル需要の大半を賄うことができる。同工場は欧州初のカソード材料のギガファクトリーとされる。
テラファメは国営鉱業企業フィンニッシュ・ミネラルグループの傘下で、採鉱から製品化までを垂直統合する生産プロセスにより完全なトレーサビリティを確保している。フィンランド国内にある電池用化学品工場は世界最大級。製品の硫酸ニッケルは平均と比べ二酸化炭素(CO2)排出量が60%少ない。