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2010/4/9

一般・技術・その他 (旧)

独ダイムラー、カーシェアリング事業を本格化

この記事の要約

独自動車大手のダイムラーはカーシェアリング事業を本格化する。超小型車ブランド、スマートの「フォーツー」を使ってドイツのウルムで実施していたパイロットプロジェクトが好調なためで、子会社car2goをウルムに立ち上げ国外にも […]

独自動車大手のダイムラーはカーシェアリング事業を本格化する。超小型車ブランド、スマートの「フォーツー」を使ってドイツのウルムで実施していたパイロットプロジェクトが好調なためで、子会社car2goをウルムに立ち上げ国外にも事業を広げる。今年末にも欧州域内の大都市でサービスを開始し、来年からはさらに事業を拡大していく計画だ。

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同社のカーシェアリング・プロジェクト「car2go」は、ダイムラーが2007年に新規事業の可能性を模索するため立ち上げたビジネス・イノベーション・チームが開発した事業モデル。大都市では特に、自動車を保有するより便利に利用したいと考える人も増えており、同社では自動車の製造・販売だけでなく、今後は自動車を利用したサービスを自動車メーカーが提供する必要があるとの危機感を持つ。例えば、携帯電話業界では携帯電話を利用したサービスが大きな事業に発展し、端末メーカーは機械を提供するサプライヤーへと変化している。独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、ダイムラーは新規事業の条件として、売上高で1億ユーロ以上、営業利益率は10%の確保を条件としているという。

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ウルムのパイロットプロジェクトは約1年前に開始した。2人乗りのフォーツーを市内に200台配置して、予約なしでいつでも利用できるシステムとした。利用後は市内のカーシェアリングステーションに返却するほか、市内の無料の路上駐車スペースに乗り捨てもできる。利用者は18~80歳と幅広いが、36歳以下の若年層が圧倒的に多い。ウルム市民の約10%がすでに同サービスを利用しており、18~35歳の年齢層では3人に1人が同サービスに会員登録しているという。

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利用好調を受けて、ウルムでは2010年後半に車両を現在の200台から300台に増やす計画。また、米国テキサス州のオースティンでは2009年11月から利用者を公共機関の職員1万3,000人に限定して、同サービスを試験運用している。

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