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2011/5/20

総合 – 自動車産業ニュース

独連邦政府、電気自動車の研究開発に10億ユーロを追加投資

この記事の要約

ドイツ連邦政府は18日、電気自動車の新たな普及促進プログラムを閣議了承した。研究開発の支援に重点を置いた内容で、現政権任期の2013年までに10億ユーロを追加投資し、総額で20億ユーロに引き上げる。しかし、税優遇などで購 […]

ドイツ連邦政府は18日、電気自動車の新たな普及促進プログラムを閣議了承した。研究開発の支援に重点を置いた内容で、現政権任期の2013年までに10億ユーロを追加投資し、総額で20億ユーロに引き上げる。しかし、税優遇などで購入を促すものの、購入を直接支援するような補助金制度を導入する計画はないとした。連邦政府は、電気自動車を2020年までに100万台、2030年に600万台以上に普及させることを目指している。

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これに先駆けた16日には昨年5月に発足した政産学による「国家プラットフォーム・エレクトロモビリティー(NPE)」が電気自動車の普及に向けた提言などをまとめた第2回目の報告書をアンゲラ・メルケル首相に提出した。NPEは、現在の普及台数は2,300台にとどまっており、政府による支援措置がなければEVの普及は2020年までで45万台にとどまるとの見通しを示している。

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■ CO2排出量50g/km以下の車両に優遇措置

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政府発表によると、新たな支援プログラムでは、2015年12月末までに新車登録した乗用車および商用車のうち、走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量が50グラム以下の車両については、車両税を10年間免除する。また、連邦政府は2013年から新たに調達する公用車のうち10%以上をCO2排出量が50グラム以下の車両とする方針。このほか、駐車場利用での特典やバスレーンを走行できるようにするなどの優遇措置も盛り込まれた。

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連邦政府は購入補助金を実施しない理由として、魅力的な製品を市場投入すれば販売は伸びるとのの立場を示し、研究開発の強化による技術力の強化が競争力を高めることになると説明。また、今回の支援策を通して2013年までに3万人の雇用を新たに創出できるとの見通しも示した。

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研究開発支援では特に電池の開発に重点を置く方針。また、再生可能エネルギーと電気自動車の連携も進めていく。

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■ 緑の党は5,000ユーロの購入補助金を提言

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一方、緑の党のレナート・キュナスト氏は連邦政府に対し、研究開発支援だけでは100万台の目標は達成できないと指摘し、1台当たり5,000ユーロの補助金措置を導入すべきであると提言している。産業界では、ダイムラーのディーター・ツェッチェ社長が補助金の導入を求める一方、BMWのノルベルト・ライトホーファー社長は以前、メディアに対し補助金以外にも支援方法はあるとコメントするなど、自動車業界でも見解にバラツキがあるようだ。

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