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2011/7/8

企業情報 - 部品メーカー

独BASF、電気自動車向け事業を強化

この記事の要約

独化学大手のBASFが電気自動車向けの事業を強化している。車体の軽量化に寄与する素材や二次充電池の部材、システムなどに商機があると見込んでいる。6日付の独経済紙『ハンデルスブラット』が報じた。\ 同紙によると、BASFは […]

独化学大手のBASFが電気自動車向けの事業を強化している。車体の軽量化に寄与する素材や二次充電池の部材、システムなどに商機があると見込んでいる。6日付の独経済紙『ハンデルスブラット』が報じた。

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同紙によると、BASFは軽量化の分野では、軽量の車体用素材や防音材、炭素繊維向け合成樹脂や硬化剤などに注力している。二次電池の分野では、部材のほか、主な部品の連携を調整するシステムの開発にも視野を広げている。システムの開発では自動車部品大手のボッシュや大手自動車メーカーのフォルクスワーゲン(VW)と協力しているという。

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BASFのアンドレアス・クライマイヤー研究開発担当取締役によると、同社は二次電池用素材の研究・開発および生産拡大に今後5年間で数億ユーロ以上を投資する計画だ。年間の研究開発予算は、現在の約3,000万ユーロから5,000万~6,000万ユーロに引き上げる方針という。

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同社は電池関連では昨年、米オハイオ州のエリリアにリチウムイオン電池向けの正極材(カソード)工場を建設する計画を発表した。

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■ 電気化学分野の研究開発に後れ、挽回に意欲

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『ハンデルスブラット』紙によると、同社は1980~90年代から電気化学分野の製品をアジアのメーカーから調達するようになり、二次電池でも重要となる同分野の研究開発で後れを取るようになった。しかし、2006年に米特殊化学大手のエンゲルハードを買収したことで再び足がかりができた。エンゲルハードは自動車の排ガスに含まれる有害物質の処理に使用する触媒で高い技術力を持つためで、触媒と電池部材の正極材(カソード)の製造技術は比較的似ているという。

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■ 独化学大手、電気自動車分野に意欲

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ドイツの化学大手では、エボニックがリチウムイオン電池のセルを生産している。同社は2008年に独自動車大手のダイムラーとリチウムイオン電池セルを開発・生産する合弁会社リテック(Li-Tec)を設立した。独東部のカーメンツにあるリテックの工場では近く量産を開始する予定。

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一方、ズート・ケミーは、正極材(カソード)の材料となるリン酸鉄リチウム(LFP)の生産に注力している。昨年7月には、6,000万ユーロを投じてカナダ子会社の施設内にLFP工場を建設する計画を発表した。同8月にはアジアでもLFPを増産する方針を発表している。

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