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2011/12/9

企業情報 - 自動車メーカー

独アウディ、中国で2番目の工場を2013年に稼働

この記事の要約

独高級車メーカーのアウディは1日、中国南部、広東省の仏山に建設中の工場を2013年に稼働させると発表した。プレス加工、車体製造、塗装ライン、組み立ラインを持つ一貫生産体制の工場で、従業員数は同年に約4,000人を予定して […]

独高級車メーカーのアウディは1日、中国南部、広東省の仏山に建設中の工場を2013年に稼働させると発表した。プレス加工、車体製造、塗装ライン、組み立ラインを持つ一貫生産体制の工場で、従業員数は同年に約4,000人を予定している。生産能力は約15万~20万台となる計画で、中国北部の長春工場と合わせたアウディの生産能力は年約70万台に拡大する見通し。

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仏山の新工場は、アウディと同社の親会社であるフォルクスワーゲン(VW)、第一汽車(FAW)の合弁会社である一汽大衆(FAW-VW)が建設している。同工場では「A3」シリーズの新モデルを生産する計画という。

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長春工場もFAWとの合弁工場で、同工場では「A4 」および「A6」のロングバージョンとオフロード車「Q5」を生産している。生産能力は今後数年以内に50万~55万台に引き上げる予定。

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FAW-VWは中国におけるアウディブランドの製品開発、生産、販売事業などに今後5年間で約30億ユーロを投入する方針を示している。

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アウディの2011年1~10月の中国市場(香港も含む)における販売は25万3,739台となり、前年同期に比べ32%拡大した。同社では通期販売で初めて30万台を超えると見込んでいる。

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■ VW、中国西部に新工場建設を検討

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アウディの親会社であるVWは中国西部の新疆ウイグル自治区に新工場を建設することを検討しているもようだ。複数のメディア報道によると、同自治区のホームページ上に、生産能力が年5万台の工場を2013年から稼働させることを国家発展改革委員会(NDRC)が認可したとの情報が掲載されているという。

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VWの広報担当者はメディアの問い合わせに対し、中国市場の成長を受けて新工場の建設を検討しており、新疆ウイグル自治区のプロジェクトもその中に含まれる、と認めたものの、「まだ決定はしていない」と説明している。

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中国政府は経済開発が遅れている地域の活性化を進めていく方針で、VWは同国中部の四川省成都に現在、FAWと新工場を建設している。ホームページ上での公表は、VWの最終決定を促すための措置であるとの見方もある。

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7日付けの独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ』によると、新工場は自治区都であるウルムチに建設する見通しで、VWと上海汽車(SAIC)の合弁会社である上海フォルクスワーゲン(SVW)は初期投資として20億元(2億3,000万ユーロ)を計画しているという。また、生産するモデルは「ポロ」やシュコダ「オクタビア」、中国市場向けのVWモデル「ラヴィダ」などのような「A」セグメント車になる見通しという。

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新疆ウイグル自治区は中国の西端に位置しカザフスタンやタジキスタン、キルギスタン、インド、パキスタンなどと国境を接している。同自治区では中国からの分離・独立を訴える民族運動も頻発しているが、独『南ドイツ新聞』によると、VWは安全上の問題よりも、物流面の問題を最終決定する上で重視しているという。

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