ドイツの自動車メーカーで従業員の身体負担を軽減するための外骨格(エクソスケルトン)型サポーターを試験的に導入する動きが活発化している。外骨格型サポーターの使用は、年齢や健康上の理由などで体力などに変化が生じても作業に携わることができる利点があるほか、生産性を向上させる効果もある。
業界紙『オートモーティブ・ニュース・ヨーロッパ』によると、独自動車大手のBMWはこのほど、米サウスカロライナ州のスパータンバーグ工場で米エクソ・バイオニクスのベストタイプの製品を試験導入した。バッテリーを使用せずに上半身と腕を人間工学的にサポートする仕組み。
同紙によると、スパータンバーグ工場での試験導入には従業員30人が参加、好評だったという。また、同工場では、エクソ・バイオニクスの製品に加え、米2社のプロトタイプ製品も試験している。
スパータンバーグ工場でアセンブリ設計を担当するフランク・ポキロ氏は、世界の工場でバッテリー式のさらにサポート能力の高いエクソスケルトンを導入する可能性があると述べ、エクソスケルトンの将来性を評価している。
■ アウディは「チェアレス・チェア」を試験導入
ドイツの自動車大手では、独フォルクスワーゲン(VW)傘下の高級車大手アウディが足の負担を軽減する「チェアレス・チェア」を試験導入している。臀部から足首にかけて、足の裏側を皮革材や炭素繊維複合材(CFRP)を使った外骨格型サポーターが支える仕組み。組み立て作業などで、腰掛やいすを使用せずに座って作業ができるようになり、姿勢を良くする効果もあるという。