eMERGE II

ドイツで実施された電気駆動車(エレクトロモビリティ)の実証試験プロジェクト「eMERGE」の第2弾。個人と法人に電気駆動車を利用してもらい、車載機器から走行データを収集して日常の利用状況を分析するとともに、インタビュー調査も実施した。研究成果は、電気駆動車両の開発や充電インフラの整備などに役立てる。

「eMERGE II」には、独自動車大手のダイムラー、シュツットガルト自動車・エンジン研究所(FKFS)、アーヘン工科大学(RWTH)、ベルリン工科大学、ジーゲン大学が参加している。

第2弾「eMERGE II」の実施期間は、2015年1月~2017年9月までの約3年間で、このほどプロジェクトの終了式典が行われた。プロジェクトの調整役はドイツ水素・燃料電池国家組織(NOW)が務め、資金面ではドイツ連邦運輸デジタルインフラストラクチャー省(BMVI)が支援した。第1弾と第2弾を合わせた支援額は280万ユーロ、第2弾では、190万ユーロの支援を受けた。

第1弾「eMERGE」(実施期間:2013年5月~2015年6月)では、146人・社の個人および法人が参加した。ダイムラー傘下の小型車ブランドであるスマートの電気自動車「フォーツー・エレクトリックドライブ」を投入し、ベルリンやポツダム、ノルトライン・ヴェストファーレン州で実証試験を実施。走行距離は100万キロメートルを超えた。

第2弾では、ドイツ全国から122人・社の個人および法人がプロジェクトに参加。メルセデス・ベンツの電気自動車「B250e」とプラグインハイブリッド車の「Cクラス 350e」および「Eクラス 350e」を投入した。

第2弾での走行距離は延べ40万キロメートルとなり、約620ギガバイトの走行および充電に関するデータを収集した。第2弾でも、プロジェクト参加者に定期的なインタビューを行った。

「eMERGE II」では、◇車両の機械的な負荷◇事業モデルやコミュニケーション戦略◇

インフラに関するデータ――などを調査・分析し、車両の開発や充電インフラの配置・支援措置などに役立てる計画。

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