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2015/7/10

クローズアップ

HIsarna

この記事の要約

印鉄鋼大手のタタ・スチールと英豪資源大手のリオ・ティントが主導する新しい製鉄技術の開発プロジェクト。同技術では、再利用資源など様々な原料を使用できるため資源効率の改善に寄与するほか、製鉄の前処理工程を省くことができるため […]

印鉄鋼大手のタタ・スチールと英豪資源大手のリオ・ティントが主導する新しい製鉄技術の開発プロジェクト。同技術では、再利用資源など様々な原料を使用できるため資源効率の改善に寄与するほか、製鉄の前処理工程を省くことができるため二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に削減できると見込まれている。

同プロジェクトには、欧州鉄鋼大手のアルセロールミタル (ルクセンブルク)、ティッセンクルップ(ドイツ)、フェストアルピーネ(オーストリア)や、製鉄機械メーカーのポールワース(ルクセンブルク)が協力している。

タタ・スチールの欧州部門タタ・スチール・ヨーロッパは1日、オランダのエイマイデン工場で2016年に実施する同技術のパイロットプラントプロジェクトで欧州連合(EU)から740万ユーロの支援を受けると発表した。

プロジェクト期間は6カ月で、新技術により溶鉄を継続的に安定して生産できるかどうかを試験する。

新しい製鉄技術「HIsarna」では、鉄鉱石を焼結(シンタリング)して焼結鉱にしたり、鉄鉱石をペレット化したり、石炭から石炭コークス(石炭を原料にした炭素を主成分とした固体)に加工したりする前処理を行う必要がないという。

また、パイロットプラントでは、製鉄工程で発生する副産物やスクラップなど様々な原料を試験している。

プロジェクト予算2,500万ユーロのうち、EUは研究開発・イノベーション促進のための基本計画「ホライズン2020」の枠組みから740万ユーロを支援する。

コンソーシアムは今回の試験で好結果を得られれば、さらに生産規模を拡大したパイロットプロジェクトを実施する計画という。

最初のパイロットプラントは2010年に建設されたもので、今回のプロジェクトは5回目になるという。

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