充電プロセスを通して電気駆動車(EV)の維持費削減の可能性を探るフランスの共同プロジェクト。仏自動車大手のPSAグループがプロジェクトの調整役を担う。
例えば、夜間の電力料金が低い時間帯に充電を行えば、EVの利用コストは安くなる。また、EVに充電した電力を電力需要の高い時に送電網に供給するなど、スマート(賢い)な充放電プロセスによりEVの維持費を削減する可能性を調査・研究する。
プロジェクトには、PSAグループのほか、エネルギー会社の仏ダイレク・トエナジー、伊エネル、EV向けのスマート充電ソリューションを提供する米Nuvve、住宅向けに電気・ガス・水道などのテクニカルサービスを提供する仏Proxiserve、デンマーク工科大学が参加する。
実施期間は2年。日常的な利用状況でEVの充放電プロセスを試験するため、ボランティアの参加者を募集している。フランス在住で、2015年1月以降に生産されたプジョーまたはシトロエンの電気自動車の保有者が対象となる。
同プロジェクトでは、充電プロセスの調整によりコスト削減を目指すグループ(1)と、自動車と電力系統との間で双方向の電力融通(V2G:Vehicle to Grid)ができるグループ(2)の2つに分けて試験を実施する。
グループ(1)では、プジョーの「iOn」および「パートナー・エレクトリック」、シトロエンの「Cゼロ」および「ベルリンゴ」の4モデルを計50台を投入する。
グループ(2)では、法人顧客を対象とし、プジョー「iOn」とシトロエン「Cゼロ」の2モデルを計15台投入する。