独自動車部品大手のボッシュとオランダのアムステルダム大学がこのほど発足した人工知能(AI)分野の研究協力プロジェクト。深層学習(ディープラーニング)に重点を置いており、専門分野の定期的な情報交換や学術研究の実用化などで協力する。
今回の研究協力では、ドイツ南部のレニンゲン(バーデン=ヴュルテンベルク州)にあるボッシュのリサーチキャンパスの人工知能センター(BCAI:Bosch Center for Artificial Intelligence)とアムステルダム大学が協力する。
ボッシュは、今後4年で当該分野の博士課程の学生10人に総額300万ユーロを資金支援する。また、アムステルダム大学の学生とレニンゲンのBCAIに勤務するボッシュの研究者との協働や、アムステルダム大学で行われる共同学術研究プロジェクトへのボッシュの研究者の派遣などを計画している。
支援を受ける博士課程の学生は、情報や経験から機械が学習するための数学的なモデルやアルゴリズムを研究する。ボッシュは、デルタラボの研究成果をアプリケーションや製品の開発に反映させていく。
機械学習では例えば、自動運転車両が道路に転がっているボールと遊んでいる子供を区別するといったことが可能になる。
ボッシュの人工知能センター(BCAI)は人工知能の研究強化を目的とし、レニンゲン(ドイツ)、パロアルト(米カリフォルニア州)、バンガロール(インド)の3カ所にあり、約100人が勤務している。ボッシュは2021年までに約3億ユーロをBCAIに投資する計画。
ボッシュは2016年12月に発表したドイツの政産学が協力する人工知能分野の共同研究プロジェクト「サイバー・バレー」(バーデン=ヴュルテンベルク州)に参加しており、人工知能の分野で外部と協力するのは今回が2回目となる。