自動車部品大手の独ZFフリードリヒスハーフェンと仏フォルシアが開発した自動運転車(レベル4)向けの操作およびディスプレーのコンセプト。ハンドルやペダルはなく、ドライバー席と助手席の区別をなくしてドライバーが左右の席のどちら側にも座れるようにした。
開発が進められている自動運転のデリバリーバンやロボットタクシーに適応した新しいコクピットのコンセプトを開発した。
同コンセプトでは、ハンドルやペダルがなく、車内スペースが広いため、頻繁に乗車・降車を繰り返す配送業務などで円滑に作業を進めることができるほか、自動運転中に広い空間で事務作業などを行うこともできる。
ドライバーによる運転操作の必要が生じた場合には、センターコンソールにコントロールレバーがあり、左右の座席のどちらからでもレバーを操作することができる。レバーを使って加速や減速、方向転換などができるほか、タッチスクリーンを使ってウィンカーやクラクション、ワイパーなどの機能を操作することができる。
タクシーとして使用する場合にも、乗客は左右の座席のどちら側にも座ることができる。
運転席に左右の区別がないため、右側通行と左側通行の国のいずれにも輸出できる利点もある。
自動運転操作は、人工知能(AI)を搭載し、学習機能を備えたZFの制御システム「ZF ProAI」が担っている。「ZF ProAI」は、ZFと米半導体大手のエヌビディアが共同開発している。
フォルシアはコックピットのデザインおよびドライバーとコックピット間のインターアクションのコンセプトを開発した。