自動車修理工場の仲介プラットフォームを運営するドイツの新興企業。国内に400を超える契約修理工場のネットワークを持つ。料金の透明性を高めることで、後から予想外の修理代を請求されるといったトラブルを回避している。
契約する修理工場に対しては、書類手続きを代行している。明細書の発行などの事務手続きを同社が一括して請け負うことにより固定費が下がるため、修理サービスの料金を安く抑えることができる。ドイツでは書類を手書きで作成している修理工場も多く、事務処理に手間がかかっているという。
Caroobiでは、料金の透明性を高めるため、自社の自動車エンジニアが事前に無料でメールや電話による不具合の相談を受け、修理費の見積もりを提示する。修理工場で新たな不具合が見つかり、修理費が増える場合には、顧客に事前に連絡するシステムを取っている。多くのドライバーは不具合を自己判断することが難しく、料金の予想も難しいという問題の解消に取り組んだ。
Caroobiは2015年の設立で、ドイツのベルリンに本社を置く。独経済紙『ハンデルスブラット』によると、従業員数は現在、60人。国内にある約1,000社の独立系修理工場のうち400社と契約している。同社と契約する修理工場には、一定の基準を設けている。また、契約工場の数を増やすよりも、仲介プラットフォームを通して、各修理工場の稼働率を高めることを重視しているという。
『ハンデルスブラット』紙によると、Caroobiにすでに出資していたベンチャーキャピタルのDNキャピタルとチェリー・ベンチャーズに加え、独高級車大手BMWのベンチャーキャピタル子会社BMWアイベンチャーズ(BMW i Ventures)がこのほど、同社に資本参加した。BMWアイベンチャーズがドイツの新興企業に出資するのは今回が初めてという。
Caroobiは差し当たり、国内に事業をとどめ、プロセスの改善に注力する方針であり、国外への事業拡大はその後で検討する意向という。